初心者が初めて障子の張り替えをしたら、果たしてどのくらいのクオリティで仕上がるのか?
障子紙にシワがよってしまったり、うっかり破いてしまったりという失敗があるのか?それとも、初めてでもきれいに貼れるものなのか?検証も兼ねて、実験をしてみることにしました。
今回障子の張り替えを体験してもらったのは、つい1ヶ月ほど前に入社した新人Aちゃん。
彼女の家には障子がないため、本当に生まれて初めての張り替えです。
ちょっと緊張感漂う中、早速スタートです!!
はじめに:道具と障子紙を用意する。
まずは、障子の貼り替えに必要な道具と、新しい障子紙を用意しておきます。今回用意したのは、以下の8つです。
代用できるものやなくても問題ないものもあるので、ぜひおうちにあるものを工夫して使ってみてください。
- 新しい障子紙
- スポンジ(または雑巾)
- 障子のり
- 定規
- カッター
- マスキングテープ(セロテープで代用可)
- ビニールシートや新聞紙など(汚れてもよいもの)
- ヘラ(なくても可)
今回は、昔ながらの「でんぷんのり」を使った方法に挑戦していきます!
古い障子紙をはがす。
まずは、古い障子紙をはがしていきます。
乾いた状態ではがそうとすると、建具に障子紙が残ってしまい、きれいにはがすことができません。たっぷり水を含ませたスポンジや雑巾などを使って、糊付けされた桟(障子枠)の部分を十分に湿らせます。
多少水がこぼれることもありますので、屋内で作業をする際は下にビニールシートを敷くなど、事前準備をしておくと安心です!
古い障子紙に十分水分を含ませたら、5分程度おいて端からゆっくりとはがしていきます。一度にきれいにはがれるように、ゆっくりとはがします。
もっと大変かと思いましたが、面白いくらいスルーっとはがれて、すっごく気持ちがいい٩(๑>∀<๑)۶
現在の障子紙を「両面テープで貼っている」という方は、ドライヤーなどで温めてからはがすと、建具を傷めずにきれいにはがすことができますよ!
古い障子紙をはがし終えたら、桟の部分に残っている糊をヘラで落としていきます。ヘラがない場合は、歯ブラシや定規などでも代用できるので、ぜひおうちにあるもので工夫してみてください。
糊の残りをヘラで落としたら、濡れタオルや雑巾できれいに水拭きしておきます。
最後に直射日光が当たらない場所(屋内や日陰)で、建具をしっかりと乾かします。
この「建具をしっかり乾かす」というのが障子の張り替えポイントのひとつ。半乾きのままだと新しく貼る障子紙がしっかり定着しなくなってしまいますので、障子の張り替えは建具の乾きやすい晴れた日に行うのがおすすめです!
新しい障子紙を貼る位置を決め、テープで仮止めする。
建具の乾燥を終えたら、障子紙を貼る面を上にし、新しい障子紙を貼る位置を決めます。
今回使用するのは、発売したばかりのグラデーション障子紙。Harokkaの障子紙は、ショップロゴがある方が上になりますが、今回はちょっとカスタムして、上下を逆にして貼ってみようと思います!
貼る位置を決めたら、上部3ヶ所程度をマスキングテープで仮止めします。最終的には切り落としてしまう部分なので、セロテープで代用しても全く問題ありません。
絵柄のある障子紙の場合、絵柄のある方に糊をつけるので、裏表を間違えないように注意が必要です。
仮止めが済んだら、一度桟(障子枠)の上に広げて、障子紙と桟が平行になっているかをしっかり確認しておきます。
障子枠に糊をつける。
…おそらくここが初心者一番の難関。…桟への糊づけです。
糊で貼ると聞いただけで、なぜかとっても難易度が高そうに聞こえるのですが、この昔ながらの糊で貼る方法は、建具にも優しく安価に仕上がるコスパ抜群の貼り方なんです!
とはいえ、ハケで糊を塗るのは難しそうだし、後片付けも面倒そうなので避けたい…(´-ω-`)
そこで、今回使ったのがこちら!ハケがいらない障子紙ののり!
ホームセンターなどに行けば、このような簡易タイプの障子のりがたくさん売られていますので、初心者の方や自信のない方、面倒くさがり屋さんは迷わずセレクトしてください。
桟にガイドを引っ掛けてすべらせていくだけなので、不器用な方でもずれたりする心配がなく、ご覧の通り均一に糊を塗っていけます。
気持ちいいくらいにきれいに塗れる“(ノ*>∀<)ノ
桟の交差部分がちょっと塗れていませんが………まあいいでしょう。
多分この糊を考えた人が天才なのですが、初めて塗ってもこんなにきれいに塗れることに、謎の自信が湧いてきます。
障子紙を転がしながら貼っていく。
糊が塗れたら、糊が乾かないうちに障子紙をゆっくり転がしながら貼っていきます。油断するとコロコロ〜っとすごいスピードで転がっていってしまうので、巻かれた障子紙の部分を押さえながらゆっくり転がしてください。
ちょっと糊がダマになってしまっている部分もありますが、その辺りはご容赦ください(´・ᴗ・`;)
最後まで貼り終えたら、中心から外側に向かって、桟の上を優しく押さえて密着させます。
最後に余った障子紙を、おおまかにハサミやカッターで切り落としておきます。この余った部分の障子紙も、ランプシェードやラッピング、使い捨てのランチョンマットなどに使用できるので、ぜひ捨てずにリメイクしてみてください!
初心者一番の難関、貼りの工程がこれで全て終了しました!
すぐにカットしてしまうと、乾いていない糊部分がよれて障子紙が破ける原因になってしまうことがあります。障子紙をカットしやすいよう、糊が半乾き程度になるまでこのまま乾かしてください。
枠からはみ出た障子紙をカットする。
しばらく乾燥させたら、カット用定規や金定規を使って、貼り終えた障子紙をカットしていきます。通常の定規でも代用可能ですが、その場合は手を切らないように、ゆっくり焦らず作業してくださいね。
四辺とも溝(紙じゃくりと呼ばれる部分です)に合わせて、ゆっくりゆっくりカットしていきます。
張りが足りない場合の対処法。
四方の余分な障子紙をカットしたら、いよいよ完成〜!
と思いきや、障子紙を貼り終えたあとによくあるのが、上の写真のような状態です。障子紙の張りが足らずに、たるんでしまっている状態ですね。
どうしよう…と不安になるかも知れませんが、ご安心ください!!
コレで一気に解決します!
もちろん中身は普通の水です。
糊づけした面から、全体的に軽く霧吹きで水をかけていきます。ここまできたら完成は目前、恐れず一気にやっちゃってください。
そのまま乾燥させればこの通り。ピンと張ったきれいな障子が現れました。
近くで見てもご覧の通り。たるみひとつない美しい仕上がりです *:・゚✧*:・゚✧
いよいよ本当に完成〜!!
とても初めての障子貼りとは思えない出来栄えではないでしょうか!
まとめ
いかがでしたか?
糊が多少ムラになってしまうなど、初心者ならではのちょっとした失敗はありましたが、大きなトラブルはなく、とてもキレイに仕上がりました!
障子の張り替え自体には特別な道具は必要なく、自宅にあるものを工夫して使えば、新しい障子紙と糊を購入するだけで済みそうです。
また、今回チャレンジした昔ながらのでんぷん糊を使った貼り方は、建具にもお財布にも優しいのが特徴。
今はハケを使わないタイプの糊もたくさんありますので、ぜひお好きなものを使ってみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!