以前こちらのブログでもご紹介した、和柄に込められた数々の意味。(前回の記事はこちらから)
華やかな着物や美しい工芸品などを目にすると、その美しさに心を惹かれますが、描かれている日本の伝統文様やモチーフには、さまざまな意味があることをご存知でしょうか。
日本の美しい自然や四季折々の花々、可愛らしい動物たちには、それぞれどんな意味が込められているのでしょう。今回は第二弾として、前回とは違ったモチーフをご紹介していきます。
伝統的な和柄の文様には、ひとつひとつに特別な想いが込められている
着物などに描かれる日本の伝統モチーフには、長寿や繁栄、豊穣や商売繁盛など、人々の幸せや発展を願う特別な想いが込められています。
花籠〈はなかご〉
古代中国で八仙人の一人、韓湘子(かんしょうし)の持ち物だったとされる花籠。ある日、韓湘子は笙の音とともに鶴に乗って天へ飛び去ったという伝説があり、この由来から花籠は美しい仙女を象徴し、幸運を呼ぶ文様とされています。
菊〈きく〉
日本の国花でもある菊。太陽を思い起こさせるような放射状の花弁は、神仙思想の観点から不老長寿の花として好まれ、漢方薬にも用いられました。
紅葉〈もみじ〉
長寿を象徴するといわれる紅葉。徐々に色が変化していくことから、世渡り上手を意味するモチーフとしても好まれています。
熨斗〈のし〉
熨斗は長寿をもたらすとされる鮑(あわび)の肉を帯状に削いで、祝儀の進物に添えたことが由来です。慶事の飾りとして使われる熨斗は、さまざまなご縁を結ぶ文様です。
扇〈おうぎ〉
扇は広げると八の字になる形状から末広文とも呼ばれ、明るい未来を象徴する吉祥文様とされてきました。扇の中にも牡丹や菊、梅などの吉兆花を描いたり、鹿子・青海波・亀甲・七宝といった日本の伝統文様が入ったものなど、バリエーション豊かに図案化されています。
柳〈やなぎ〉
繊細で美しい見た目とは違い、柳はその生命力の強さから神事に使用されることも多く、植えた周辺の地盤を強くすることから災難除けとしても用いられてきました。
桔梗〈ききょう〉
永遠の愛、誠実といった花言葉を持つ桔梗文様。桔梗の花は星型であることから五芒星ともいわれ、魔除けの意味を持つともされています。
鹿〈しか〉
延命長寿の象徴とされる鹿は、中国では古来より神の乗り物とされ、日本でも神の使いとして崇められてきた動物です。秋の植物と一緒に図案化されることが多く、可愛らしい見た目で私たちを楽しませてくれます。
雪輪〈ゆきわ〉
雪の結晶を象った雪輪文様は、豊作を意味する吉祥文様です。雪と豊作が結びつかない、と思われるかも知れませんが、積もった雪は春には雪解け水となり、やがて田畑を潤してくれることから、その年が豊作になるとの由来があるのだとか。
尾長鳥〈おながどり〉
尾長鳥文様とは特定の鳥を指すものではなく、鳳凰に代わるものとして尾の長い鳥を美しく抽象的に描いた文様です。華やかな見た目通り、豊かさや繁栄を意味するおめでたいモチーフです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は和柄に込められた意味の第二弾として、前回ご紹介しきれなかったモチーフを取り上げました。
華やかな図案に使われる数々のモチーフには、さまざまな意味が込められていることが分かります。ぜひ縁起の良いモチーフを味方につけて、明るく豊かな毎日をお過ごしください。