年末が近くなると大掃除による障子の張り替え需要が高まり、この時期は「今年の張り替えはどうしようかな?」と検討を始める方が増える季節です。
大多数の方にとって、もっと簡単に楽にできたらいいのに…と思う障子の張り替え作業。
今回はスタッフが障子のりと両面テープを使用して障子の張り替えを行い、それぞれの持つメリット・デメリットを検証してみたいと思います。
年内に障子の張り替えを予定している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
使用する障子紙
ホームセンターなどへ出かけると、アイロンで貼るタイプやプラスチック障子紙など、障子紙にもさまざまなタイプがあることが分かります。
今回の検証で使用するのは、当店の強度4倍の障子紙。見た目は昔ながらの障子紙と変わりませんが、一般的な障子紙と比べると、破れにくい仕様になっています。
また、最終的な仕上がりの違いがより分かるように、今回は同じデザインの障子紙を使って張り替えをしていきます。
使用する障子のりと両面テープ
今回使用するのは、Harokkaでいつも販売している「ハケのいらない障子紙ののり」と「障子用強力両面テープ」です。
今回は店内商品にて比較しますが、ホームセンターなどでも同様の商品が手に入りますのでチェックしてみてくださいね!
障子のりで貼る場合
さて、まずは最初に障子のりを使用した張り替え作業に入っていきたいと思います。
まずは障子紙を桟の上部にマスキングテープなどで仮止めし、位置決めを行います。この工程はのりで貼る場合でも、両面テープで貼る場合でも同じです!
次に、障子のりを桟に塗っていきます。
今はハケを使用せず、桟に直接のり引きできる障子のりが多数販売されていますので、そういう便利なタイプを選ぶことで、昔ながらのでんぷんのりを使用した張り替えも、驚くほど短時間でできるようになりました。
のりが引けたら、仮止めしている障子紙を転がしながら貼っていきます。
のり引きからここまでにかかった時間は約10分ちょっと。
この後のりが半乾きになってから、四方の余分な障子紙をカットすれば完成です!
障子のりのメリット・デメリット
昔ながらの障子のりを使った張り替え作業で感じた最大のメリットは、やはり圧倒的な「張り替え費用の安さ」です。両面テープで張り替えた場合、一般的な障子枠4枚分を貼るのにかかる費用は約1,200円。それと比べ、障子のりで張り替えた場合にかかる費用は約250円と5倍近い価格差があります。(※当店内商品代金比較)
今は100円ショップでも障子の張り替え用両面テープやのりが手に入りますが、安価な店で購入した場合でも、使用する量を考えればコスト面では障子のりに軍配が上がります。
反対にデメリットはのりの乾燥時間を設ける必要がある点です。一気に作業しようと思っても、のり引き後すぐに障子紙をカットすると、障子紙がよれるなどの失敗の原因に…。
とはいえ、休憩を挟みながら作業したい人にとっては上記のデメリットは些細だと感じるレベルで、張り替え作業を終えてみるとメリットの方が大きいと感じました。
【メリット】
- 張り替え費用が安い
- 桟への負担が少ない
【デメリット】
- 桟にのりを均一に塗るのが最初は難しい
- のりが手につくなど汚れる可能性がある
- のりを乾燥させる必要があり貼ってすぐにカットできない
両面テープで貼る場合
さて、次いで両面テープで貼った場合です。
最初に障子のり同様、位置決めと仮止めを済ませてから、全ての桟に両面テープを貼っていきます。まずは赤色の縦方向に貼り、貼り終えたらはくり紙をはがします。
次に青色の横方向に貼り、はくり紙をはがします。桟のクロスする部分は両面テープが重なっている状態ですね。
全てのはくり紙をはがした状態で、障子のりで貼る場合と同様に、障子紙を桟の上に転がしながら貼っていきます。この時点では強く押さえたりせず、軽く転がしていくだけでOK。
最後に桟の中心から外に向かって、たるみやシワを逃がすようにしっかり接着させ、余分な障子紙をカッターでカットすれば完成です!
ここまでかかった時間は約15分弱。貼るまでに要する時間はさほど変わりません。
ですが、障子のりと比べると乾燥させる必要がなく、すぐにカット工程に移れるのは大きなメリットです。
両面テープのメリット・デメリット
両面テープ最大のメリットは、なんといっても貼った後に乾かす必要がなく、すぐにカットと取り付けができる点です。一気に作業をしてしまいたい場合、この利点は大きいと感じました。また、先に貼ってあった障子紙も両面テープで貼ってある場合に限りますが、はがす際に水を使う必要がないので、建具を乾燥させたり、冬場に冷たい思いをしなくてよいというのもメリットです。
反対に最大のデメリットは、張り替え費用が高くなりがちな点です。障子のりと比較するとどうしてもコストがかかり、たくさんの枚数を張り替えなければならない場合は、思わぬ負担になるかも知れません。
【メリット】
- 手や建具が汚れる心配がない
- 水を使う必要がない
- 乾燥させる必要がなく貼ってすぐにカットできる
【デメリット】
- 張り替え費用が高くなる
- シワが寄ると補修ができない
- 桟が傷んでいると両面テープが上手く貼りつかない
それぞれの仕上がりを比較
さて、障子のりと両面テープ、それぞれの張り替えが済んだところで、最後に仕上がりの比較です。
正直仕上がりの優劣には全く差がなく、どちらで張り替えた場合も、ご覧の通り美しい仕上がりとなりました。
拡大して見てもこの通り。
仕上がりだけに着目して言えば、障子のりだから、両面テープだから、といった違いはありませんでした。
まとめ
いかがでしたか?
今回は障子紙の張り替え作業に使う、障子のりと両面テープのメリットとデメリットをご紹介しました。
意外にものり引きから貼りまでの工程のみの作業時間では、若干ではあるものの障子のりに軍配が上がりました。最初戸惑ってもコツさえ掴めば簡単に糊引きでき時間の短縮にもつながりますし、なんといってもコストの安さは嬉しいポイントです。
とはいえ、乾燥の時間が不要であったり、冬場に冷たい水を使わなくて良いという利便性では両面テープに軍配が上がります。
仕上がりに差は見られませんでしたので、張り替え作業についてどこに重きを置くかで、自分にあったものをチョイスすることをおすすめします。
また、大掃除で障子紙の張り替えを行う方が多いのですが、Harokkaのおすすめは秋です!
冬場は気温も低く、古い障子紙をはがした際の建具の乾燥にも時間がかかります。ぜひ寒さが本格的になる前の秋晴れの日を利用して、障子紙の張り替え作業を行ってみてください。
今回使用した障子紙「花舞」は、こちらからご覧いただけます。