はるか昔に骨董市で手に入れた、革のトランク。
スタッフが長年愛用してきたものですが、ふと気づけば、あちこち傷みが目立つようになってきました。
内側の布もご覧の通り、ヨレヨレのクタクタ。
若干のカビ臭さもあり、「さすがにこのままは気になる…」という状態です。
思い出の詰まったトランクだけに、捨てるのはもったいない。でも、このまま使い続けるのも少し気になる…。
そんなきっかけから、内張り布の張り替えにチャレンジしてみました!
とはいえ、内布の張り替えは初めての作業。しかも方法もよく分からない…(´-ω-`)
でもはがしてみれば何とかなるか!の精神で進めてみることに。
この記事では、スタッフが実際に作業した手順を写真付きでレポートしながら、実際にやってみて分かったことや、こうすればよかったという失敗も含め、初心者でも張り替えできるコツをまとめています。
ビフォーアフターもご紹介していますので、「古いトランクをきれいにして使い続けたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください!
道具と材料を揃える。
今回揃えた道具と材料はこちらです。
- 布
- ボンド(2種)
- 紙コップ
- 刷毛(筆でも可)
- 裁ちバサミ
- 鉛筆(又はチャコペン)
- 定規
同じ色の布で張り替えることも考えましたが、どうせ張り替えるならイメージも一新しようということで、レトロな雰囲気の客家花布を用意しました。
また、下記はトランクの状態と形状に合わせて用意したものです。
- ミシン
- 平ゴム
- 糸
- 縫い針とまち針
- 接着芯
- 裾上げテープ
- 革用クリーナー
- 革用保護材
- ウエス(いらない布)
今回張り替えるトランクは、上蓋にギャザー付きのポケットが2つあるタイプ。手縫いでは時間がかかりそうなので、時短のためミシンも用意しました。ポケットがない場合は、ミシンの工程は不要ですし、手縫いでも問題がないレベルだと思います。
古くなった内張りの布をはがす。
まずは、古くなった内布をはがしていきます。
実は、中がどうなっているかまったく分からず、「はがしたらこのまま使えなくなったりして…」と考え、この工程が一番不安でした…。
恐る恐る、慎重にはがしていきます。
端がガッチリ固定されていましたが、はがしてみると思ったより簡単にはがれていきます。
共布で荷崩れ防止用ベルトもついているのですが、ハトメのようなものでガッチリと留まっており、こちらを外すのは断念しました。
中はこのような感じで、下地に補強用の厚紙のようなものが使われている様子。
続いてポケットのついた上蓋側の内布もはがしていきます。
こちらは思ったよりガッチリと接着されていますが、端から丁寧にはがしていけば問題なくはがすことができました。
上蓋側はポケットがあることから、強度を増すために厚紙も一緒にミシンで縫いつけていたようで、その紙がかなりしっかりと貼りついてしまっています。こちらは特に作業には問題がなさそうだと判断し、このままにすることに。
ちなみにはがした布↓は、この後採寸して使う予定ですので、捨てずにとっておいてください。
トランクを掃除する。
内張りの布をはがし終えたら、まずはお掃除。
布をはがした際に出た劣化した布の繊維や、長年の汚れを拭き取っていきます。
表の革部分も汚れてシミができているので、ウエスに革用のクリーナーをつけて磨いてみました。
……全然取れない。全体的な汚れはきれいになるものの、期待していたシミまでは取れませんでした。残念。
クリーナーで磨いた後は、革用の保護クリームを塗り込んでいきます。伸びが良く、スッと馴染んでいきます。
どうでしょう〜?
写真ではわかりにくいですが、しっとりツヤツヤになりました!
はがした布を採寸して、新しい布をカットする。
さて、ここからは新しい布の裁断に移ります。
まずは先程はがした布をバラバラにして採寸し、新しい布の寸法を割り出します。
トランクの内布は、このような感じでした。
もともと端の処理もされておらず、ボンドで貼り付けただけ、というような簡素な構造だったので、せっかくリメイクするなら、端もきれいな状態にして作り直したいと思います!
そういった経緯で今回ははがした内布の採寸が必要ですが、全く同じに修繕する場合は、はがした内布を型紙にすると時短でき簡単にリメイクできると思います。
また、上蓋側にはギャザーつきのポケットが2つついているので、こちらもバラバラにして採寸しました。
ゴムを入れたギャザーなんて人生で作ったこともないのですが、まあなんとかなるでしょう…(´-ω-`)
分解しながらどうやって作られているのか、下のヒダの幅はどれくらいかなど、この後の工程を確認していきます。
割り出した寸法をもとに、今回のトランク張り替えに使用する布が全てカットできました!
内側のポケットをつくる。
ここからは今回一番の難関。
上蓋用の内布にポケットを作る作業を進めていきます。
もともとこの部分は、補強用の厚紙が入っていたため、形状がしっかりとしていました。今回はハードタイプの接着芯を用意したので、そちらで代用し作業していきます。
まずは接着芯を内寸ぴったりのサイズでカットし、上蓋の下地となる布に、アイロンで貼り付けていきます。
四方は折り返し、アイロンでしっかりと折り目をつけておきます。角部分は邪魔にならないよう斜めにカット。
次にポケットになる部分の布も端を折り返し、アイロンがけをします。鉛筆であらかじめ折り線を引いておいたので、作業がスムーズでした。
一旦トランクの上蓋用の下地とポケットになる布を重ね、センターで留めておきます。
この後はポケットの下に折りヒダをつけていくのですが、初心者にはこれが難しいのではないかと思い、動かないようポケットのセンターを先に縫っておくことに。
この選択が後に悪夢につながります…。以降は失敗事例としてご覧ください。
縫い終えた後は、固定された中央から順に、折りヒダを作っていきました。固定されているため動くことがなく、順調に進んでいきます。
ミシンで縫う際に動いてしまうと困るので、一旦軽く縫って仮留めしておきました。
ミシンで縫うとどうでしょう〜??
初めてにしては、まあまあきれいに作れたのではないでしょうか!
ポケットのギャザーにゴムを入れる。
次は、いよいよゴムを入れてギャザー部分を縫っていきます。
…そうです、ここで大失態が発覚。上にゴムを入れる部分を空けていたものの、下地(接着芯入りで硬い)とポケットを先に縫い合わせてしまっているため、ギャザーを縫う難易度がものすごく上がってしまいました。
そもそも解体しながら確認しただけで、全体的な作り方の手順をよく分かっていなかったため起きたミスです。
仕方がないので、下地を折り込みながら、ゴムをひっぱり縫っていきます。
この作業がすっごく難しい!!
ゴムを伸ばす感覚もどの程度か分からず、左手めちゃくちゃ力入ってます…( ˊᵕˋ ; )
できた〜!!
って……なんか思ってたのと違う…。ゴムはビロビロだし、全然ギャザーになってない…(´-ω-`)
仕方ないので泣く泣く一旦解くことに。この作業が大変だっただけに、振り出しに戻った感じで絶望…。
ここで方向転換。
もともとの作り方は初心者には無理!と判断し、「パンツのゴム入れ方式」に変更。ゴムと生地を縫い合わせるのではなく、通す方式に変えました。
ゴムを通すための輪を作ってゴムを通し、左右をギュッと絞ります。
今度こそ思ってた感じのギャザーができました〜!
ゴムが切れたら終わりですが、未来のことはまあいいでしょう( ˊᵕˋ ; )
生地を均等に伸ばし、間隔を調整して、左右をしっかりと縫います。
ギャザーと呼ぶかも怪しいですが、見た目だけならもとの状態に近いものが作れました!
…自分の裁縫レベルを考えて、最初からこうすればよかった(´-ω-`)
新しい布をトランクにボンドで貼っていく。
ここからようやく最終工程。
トランク本体への貼りつけの作業に入ります。
今回はクリアタイプのボンドと木工用ボンドの2種類を用意しました。
どちらも革や紙、布に使えるタイプをセレクトしています。
木工用ボンドの方は、ほんの少しだけ水を足して伸ばしています。
まずは上蓋側から貼り付けます。
布地の四方端にクリアタイプのボンドを塗布します。
写真は少し内側になってしまっている部分もありますが、端ギリギリに塗布した方が、しっかり貼れて仕上がりが綺麗です。
次に、トランク本体側に木工用ボンドを塗ります。
ここは下地が紙なので、端の革の部分を除く全面に塗りました。
今思えばこの工程はなくても良かったかもしれません。全面に塗らず、点留めの要領で数カ所クリアボンドをつけるだけで十分だと思います。
先程クリアボンドをつけたポケットを、しっかりと圧着して貼りつけます。
気持ちいいくらいサイズぴったり!!
手のひらでギュッと押さえながら、端は特にしっかりと圧着します。
次に内側の布張りです。
もともとボンドがついていたであろう箇所に、刷毛で同様にボンドを塗布して、
端にクリアボンドをつけた布を、ピンと張りながら貼っていきます。
これで左右を除く全ての布張りが終わりました!
古い布をはがす時は、使えなくなるかも…と思っていただけに、なんとか形になりそうでひと安心。
左右の布は四方にのみクリアボンドをつけます。
ここももう少し、端にボンドをつければもっときれいに仕上がったかもしれません。
位置を合わせて、四方をギュッと押さえ、しっかりと貼りつけます。荷崩れ防止用ベルトは以前のままですが、思ったより違和感なく馴染んでいて安心しました。
乾燥させたら、トランクの張り替えが完成!
内側全体に布が貼れたら、丸一日そのままにして乾かし、トランクの内布の張り替えが完成です!
素人リメイクで多少雑な部分はありますが、もともとのヨレヨレクタクタが解消されました〜!
ポケット部分もしっかりゴムが効いています。
張り替え方もよく分からず不安な中進めたので、何とか形にできてよかった〜ε-(´∀`)ホッ
まとめ
いかがでしたか?
今回は全くの初心者が、トランクの内張り布を張り替える様子をお届けしました。
後からああすればよかった、こうすればよかったという心残りはありますが、はがしてしまえばなんとかなるものです。
今回のトランクには、初心者にはハードルの高いギャザーポケットがあったため、難易度が上がってしまいましたが、ポケットのないトランクであれば、思ったより簡単に張り替えが可能だと感じました。
難易度の低いフラットなポケットをつけても、とても素敵に仕上がると思います。
結果として、もとのヨレヨレクタクタ状態からはかなり改善できたので、またここから大切に使っていこうと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
